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なぜそこまでこだわるのか?究極の石鹸作りに挑むアーチスト【ポニィ緒方】(1/7)

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緒方陽一(ポニィ緒方)氏アップ画像
今回のインタビューは、カンボジアの大自然の恵みをたっぷり受けた素材を厳選、日本古来の製法「釜炊き塩析法」で手間ひまかけて作る石鹸『クメール・ラビット』ブランドを展開する「Rabbit Radiance Co.,Ltd.」最高責任者ポニィ緒方さん。彼がこだわりぬいて作った究極の石鹸は、感度の高いセレブや女性に大人気!

カンボジアという土地で、最高の素材を求め、手間のかかる日本の伝統的な製造法にこだわる。できあがるまでに3ケ月かかるという妥協のないモノ作り精神で「究極の石鹸」に挑むポニィ氏。

彼がなぜカンボジアという地を選んだのか、なぜここまでこだわって作っているのか、幻の素材「ワイルドハニー(野生のハチミツ)」とは。そして、一般的に使われている石鹸と「クメール・ラビット」の違い、石鹸のこと、美容のことなど幅広く語っていただきました!

ポニィ緒方(緒方陽一)氏
カンボジア・プノンペンで『クメール・ラビット』ブランドの石鹸を展開する「Rabbit Radiance(ラビット・ラディエンス)」の最高経営者。
そして、独自の世界観の作品を生み出し、世界や日本で個展を開くアーチストでもある。
妥協を許さないモノ作りは、まさに職人でありアーチスト。
「海外で冠たるプロダクトをカンボジアから送り出す」という理念のもと、日々究極の石鹸作りに向き合っている。

今回のポニィ緒方さんとの対談インタビューラインナップ!
本記事は、全7本の対談インタビューの最初の1本目となります。


1本目 これが本当の石鹸?日本古来の製法で作る超こだわり石鹸とは?
2本目 超希少!野生のハチミツ『ジャングルハニー』使用の光り輝く石鹸とは?
3本目 教えて!『クメールラビット』石鹸の商品別ポイント!
4本目 カンボジアビジネスはどうスタートする?注意すべきポイントは?
5本目 日本の若者に欠けていてカンボジアの若者が持っている大切なものとは?
6本目 知らないと怖い?『無添加石鹸』の本当の意味とは?
7本目 今後の展開・ビジョンは?本当にやりたい大事なこととは?
特別動画 ポニィ緒方さんからあなたへのメッセージ


生の声、現地のライブ感が伝わる【動画版】はコチラ!

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え?「牛脂」「ココナッツオイル」にそこまでこだわるの?

中西賢一(以下、中西):今日はカンボジアで活動されている緒方陽一(おがたよういち)さんをご紹介します。まずは簡単にご本人から自己紹介をしていただきたいと思います。

ポニイ緒方(以下、ポニイ):「Rabbit Radiance Co.,Ltd.」の代表をしているポニイ緒方と申します。今は、カンボジアで石けんを手作りして、現地の方といっしょに日本へのエキスポートとプノンペン、シェムリアップで販売をしています。
ポニィ緒方氏と中西賢一対談画像
中西:ポニイさん、今自己紹介の中で石けんの製造と販売を手がけているということだったということですけど、アーチストでもいらっしゃるんですよね?

ポニイ:はい、元々は東京で12年、絵描き、デザイン、彫刻、諸々やらせていただいておりました。

中西:素晴らしい作品を作られているんですけれども、アーチスト活動と同時に石けんを作られているとのことなんですけれども。今日はこれから石けん作りについていろいろと聞いていきたいと思います。では、今どんな石けんを作られているのか。今日はポニイさんの工房にお邪魔をしているんですけれども、商品をお借りして目の前に並べてみたので、一つ一つどんな商品かというのを見ていきたいと思います。まず、これからいきますか。

ポニイ:まず、これがうちの一番ベーシックな商品「ホワイト・オブ・アンコール」です。
ポニィ緒方氏と中西賢一対談画像
中西:「ホワイト・オブ・アンコール」、白い石けんですね。

ポニイ:これは本当にシンプル。(原料の)「牛脂」。これはジャングルで草しか食べていない有機の牛のものですね。

中西:そこから違うんですね。

ポニイ:はい、うちが村に行って。牛の脂でも抽出の仕方で、内臓とか汚いものとかごちゃまぜになって加工されてくるんですけども、うちとしては、それを塩で洗って、真っ白な状態に洗いつくしてもらっています。それを現地で指導して、1年くらいかかってようやくそういう状態に、牛脂を調達できる状態になったということですね。

中西:なるほどねえ、そこから違うのですねえ。

ポニイ:ちょっと説明が長くなってしまったのですけど、その「牛脂」と「ココナッツオイル」ですね。生絞りしたものを、未精製で。なぜ未精製かというと、精製してしまうとですね、良いビタミン、カロテンだったり、脂肪酸、高級脂肪酸が損なわれてしまうんですね。ですので、うちは「生絞り」にこだわっています。もう本当に色もですね、ブラウン、こげ茶色。日本だと生成してしまうのでね、白っぽい。
ポニィ緒方氏と中西賢一対談画像
中西:(ココナッツオイルは)白っぽいというイメージがありますね。

ポニイ:本当にそのままの状態で使っていますので。すごく脂肪酸、牛脂とココナツオイルに含まれている「ラウリン酸」と「ステアリン酸」という高級脂肪酸が、保湿と洗浄をしております。あとは、「水」と「塩」「蜜ろう」をちょびっと。

中西:シンプルですね。「牛脂」「ココナツオイル」「水」「塩」「蜜ろう」ですよね。これで石けんってできるんですね。どうしても、日本で石けんの原料というと他の物ですよね?こんなシンプルでできるのですね。

仕込みから完成までどれくらいかかるの?

ポニイ:一般的に、「コールドプロセス」と「ホットプロセス」という、現代石鹸は「コールドプロセス」がほとんど、ほぼ90%、80%。中和法とか、基本的には「苛性ソーダ」を入れて終わり。全くそれから加工を施さない。うちの場合は「水酸化ナトリウム」はもちろん使いますけれども、入れたら、鹸化(けんか)させたら、そこからが始まり。そこで完成ではない。

中西:そこから手間がかかるということですよね?

ポニイ:そこから塩洗いして、上級脂肪酸で、完全に鹸化(けんか)できているもの、うわずみだけ取って、それを乾かして、カンナで鰹節みたく削って、ザルで干すんです。天日干し。それによって良い石けんができる。天日干しはすごく大事。
ポニィ緒方氏と中西賢一対談画像
中西:「天日干し」!乾かすってことなんですか?

ポニイ:「乾かす」と「殺菌」です。日の光を、いったん素地の状態で洗っているときに当ててあげるということを繰り返してあげる、10回位洗いますから。

中西:これは、作り始めから完成までどれくらいかかるんですか?今のことを聞くと相当時間がかかりそうな気がしますが。

ポニイ:乾かす時間がまちまちで、仕込み自体は1ヶ月~1ヵ月半でできますが、トータル、乾きも含めて出荷されるまでは3ヶ月かかります。
ポニィ緒方氏と中西賢一対談画像

一般的な石鹸と「クメール・ラビット」の石鹸の違いとは?

中西:一般的に日本で売っている石けんは、そんなことしていたらビジネスにならないので、
さっき言ったように、苛性ソーダを入れて終わり。たぶん数日で終わってしまいますよね?

ポニイ:苛性ソーダをプールみたいなところに入れて、気泡材とか香料とかいろんなものをいっしょに入れて、その後120度くらいで、その後1ヶ月くらい放置しているところもあります。鹸化(けんか)が遅いので。苛性ソーダをざっくり入れただけなので、鹸化するまですごく時間がかかってしまうんです。かつ、鹸化率があまり高くない、残留してしまう脂が酸化してしまうという弊害があります。それをですね、普通の他社さんはマシンメイドですから1回クラッシュしてしまうんですね、粉々に。

中西:作ったものを粉々にしちゃうんですか?

ポニイ:はい、うちはしないんですけど、うちは切り出していくんですね。1個から。他社さんだと、プール見たいなところに苛性ソーダを入れて、この石けん素地というものが固まってきたら、ベルトコンベアでクラッシュ、パウダーになるんですね。

中西:それで、いかにも石けんという形に圧縮するんですね。

ポニイ:うちは「木綿豆腐」なんですよ。結局、有機的にガチガチ固まっているから、減りが少ないんです。現代石けんは、消費させたいから、クラッシュしてガシャポンして、形もきれいだし、減りが3倍早いんですよ。
ポニィ緒方氏と中西賢一対談画像
中西:確かにパウダーにしたものを固めれば、そりゃあ減りが早くなりますよね。

ポニイ:ただ、泡立ちも良いし、すごい使いやすいですが、減りはいかんせん早い。だからすごくコスパが悪い。

中西:今、工房さんにお邪魔しているんですけれども、すごいんです。カタマリを切って、磨いて、形をキレイにして、それを手作業でしているんですけれども、見るからに時間がかかっているがわかるんですけど。話を最初に戻しますが、この石けん自体は、カンボジアメイド、カンボジアの原料を使って、カンボジア人の人たちの手で作っている商品ということなのですよね?

釜と塩を使う日本古来の製造方法って?

ポニイ:そうですね。作り方自体は、日本の江戸時代にあった、明治時代くらいまではやられていたんですけど、手間がかかりすぎちゃって、皆さんがされていないやり方で。

中西:釜を使うってやり方ですよね?

ポニイ:炭火炊きしてやっています。

中西:正式な名前があったんですよね?

ポニイ:はい、「釜炊き塩析法(かまだきえんせきほう)」といいます。
ポニィ緒方氏と中西賢一対談画像
中西:この「釜炊き塩析法」が手間がかかるから、今はやっているところがほぼない、やっていてもほんの少しなんですよね。

ポニイ:塩で洗うという作り方は、日本のみでしたね。日本の「地」の石けんというのは、安土桃山あたりから江戸にかけてといわれているんですね、もちろん南蛮貿易からやってきたんですけど、あと日本人がその後、水酸化ナトリウムと塩で純度を高めるというやり方をやって、やっぱり日本人の面白いところは、こう外来の技術、いろんなやり方を、独自に進化させ、そういう知恵がいっぱいあったので、僕らはそれを踏襲しつつ、カンボジアの素材というまた全く違うものなので、素晴らしいものなので、それをどう生かすかということですね。
ポニィ緒方氏と中西賢一対談画像
中西:本当に、カンボジアのいい素材と、日本の素晴らしい技術が、一つになった商品ということですよね?本当にオリジナリティのある商品なんですけど。

つづきます ⇒ (2本目 超希少!野生のハチミツ『ジャングルハニー』使用の光り輝く石鹸とは?

■ インタビュー・撮影・編集
【海外どうでしょう】管理人:中西 賢一
■ インタビュー日:2015.02.02
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