今回のインタビューは、『カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』』アシスタントセールスマネージャーである池内桃子さん。
アンコールワットに続く新しいカンボジアの観光の目玉として注目されているカンボジアサーカス『ファー(PHARE)』。
そのカンボジアサーカス『ファー』で、唯一の日本人として営業を任されている彼女。なぜカンボジアのサーカスで働いているのか?その運命の出会いときっかけは?あこがれの職場で働けるようになるまで、自分の気持ちに素直になるために、彼女はどのような行動をしてきたのか?
彼女の人生を変えるほどのインパクトを与え、カンボジアの新たな自立支援&ビジネスモデルの可能性を秘めるカンボジアサーカス『ファー』とは?
NHK「アジアで花咲け、なでしこたち」にも出演した池内桃子さんにたっぷりと語っていただきました!
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』アシスタントセールスマネージャー。
カンボジア・バッタンバンでの日本語教師を経て現職。
サーカス唯一の日本人として、日本人ツアー客を中心に営業や広報等を担当。
今回の池内桃子さんとの対談インタビューラインナップ!
本記事は、全6本のインタビュー動画の1本目となります。
1本目 カンボジアサーカスって何?サーカスの営業職って何やるの?
2本目 運命を変えたカンボジアサーカスとの出会いときっかけとは?
3本目 私は本当にカンボジアが好き?道を決めるためにとった行動とは?
4本目 カンボジアサーカス「ファー」社長にスカウトされた!そのきっかけとは?
5本目 営業ど素人でもやるぞ!共感した「ファー」のコンセプトとは?
6本目 池内さんの今後の展開やビジョンは?そして例のテレビ出演どうだった?
特別動画 池内桃子さんからあなたへのメッセージ
生の声、現地のライブ感が伝わる【動画版】はコチラ!
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カンボジアサーカスって何なんですか?
中西賢一(以下、中西):今日は、カンボジアのシェムリアップで働いている池内桃子(いけうちももこ)さんに今日はお話しを聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。
池内桃子(以下、池内):よろしくお願いします。
中西:じゃあ、桃子さんから、ご自身で簡単なプロフィールをお願いします。
池内:はい、池内桃子と言います。現在はカンボジアのシェムリアップにあります「カンボジアサーカス・ファー(PHARE)」というところの営業職をやっています。
中西:今、ちょっとなかなか面白い言葉が出てきましたけども、カンボジアサーカス。その話をこれからいっぱい聞いていきたいんですけど。カンボジアのサーカスで、今働いてるっておっしゃったんですけれども、カンボジアのサーカスって何なんですか?(笑)何なんですかって言い方もおかしいんですけど・・・
池内:いや、分かりますよ、そのご質問。
中西:ちょっと漠然としちゃってわからないと思うんですけれども、多分、みんなカンボジアのサーカスと言われてもピンと来ないと思うんですよ。
池内:ほとんどの方・・・逆にそれが素直な反応じゃないかなと思います。
中西:そういうときに桃子さんはどういうふうな説明してるんですか? カンボジアのサーカスはこういうもんですよって。
池内:「なんで、カンボジアでサーカスなんですか?」って言われたときに、まず、その「サーカス」っていう言葉が持つ典型的なイメージを取り払うことから話してますね。具体的には、特に日本の方、外国の方に限らず、サーカス、イコール虎が出てきたりとか・・・
中西:動物が、玉の上に乗ったりだとか・・・
池内:はい。そのようなイメージを持つ方が、世代も国籍も問わず、8割方そういうイメージを持つ方が多いので、まず、うちで見られるサーカスでは、動物は一切出てきませんというところから説明していきますね。そうすると、「動物が出ないんだったら、何なんだろう?」と逆に興味をもって聞いてもらえるような感じがあるので、「動物が出ないサーカスですよ」っていうのは、必ず私は言いますね。
中西:なるほど。そもそもカンボジアのサーカスって昔からあったものなんですか?
池内:そうですね。そこも動物と同じぐらい大事なところで、昔からあったそうなんですね。
中西:ほう、かなり歴史は長い?
池内:みたいです、はい。サーカスっていうと、例えば今でいうと、人気の「シルク・ドゥ・ソレイユ」だったりとか、大御所だったら、ロシアだったり、中国っていう国立のサーカスとか、すごい世界的にも有名なんですけども、カンボジアでも「バイヨン」という観光名所の1つに入ってる・・・
中西:はい、遺跡がありますよね。
池内:遺跡の中の壁画の一部にその当時大道芸をしているような人のレリーフが残っている。
中西:あるんですか? へえー。
池内:はい。なので、それからも分かるように、本当に7世紀~8世紀ぐらいから体を使ったパフォーマンス、それで人を楽しませるという、今でいうサーカスっていうのが、そのときからあったということが、遺跡の壁画で見られるぐらいなので、歴史は古いっていって間違いではないと思います。
中西:ただ、それが現代というか、今の動物が曲芸をするだったりだとか、身体が曲がったりだとか、ああいうのって比較的最近のスタイルですよね。ああいうサーカスの小屋みたいな中でやるっていうのはね。ああいうスタイルっていうのは、カンボジアではあったんですか? そういうもの自体は?
池内:そうですね。そのときでも綱渡りとかあったみたいなので、今でもみられる技をその当時でもやってたんではないかなあと。そのバイヨンで見られる彫刻自体も、まず、大きな身体のガッシリした男の人がこうやって両手を広げてバランスをとっているような感じで描かれていて、その両手のそれぞれ手の上と頭の上に本当に小さい人間なのか、サルなのかはちょっと分からないのですけれども、バランス芸を見せてるようなのが、壁画として残っているんですね。 で、そういうバランスをとる芸っていうのは、今の私が勤めているサーカスでもやっていることもありますし、人がほんとに頭の上で倒立をしたりっていうこともやっているので、必ず同じかどうかは定かではないのですけども、似たものが見られる、今でも見られるし、その壁画にも見られるというところで、共通した部分はたくさんあったのではないかなあと。
中西:ちょっとそういうクラシカルな部分も残しつつ、アレンジをしてるみたいな感じなんですか。そのカンボジアサーカスには、一応名前があるんですよね?
池内:そうです。ありがとうございます。そうなんです。ついついカンボジアサーカスって言ってしまうんですけど・・・
中西:言っちゃうんですけどね。
池内:はい。固有名詞として「ファー」っていう名前で、営業活動もしてますし、宣伝もしてます。
中西:カンボジアサーカスの「ファー」。スペルが「PHARE」。ちょっと単純にいうと、これで「ファー」って読んでいいのかっていう感じですけど、「ファー」で?
池内:そうですね。はい。
中西:その「ファー」というカンボジアのサーカスなんですけど、これっていうのは毎日見れるんですよね?
池内:はい。毎晩見られます。
中西:今ここにいるのが、カンボジアのシェムリアップっていうアンコールワットがある町なんですけれども、ここのアンコールワットがある町で、毎晩ファーっていうサーカスが行われていると。だから、アンコールワットの観光に来た人が、夜見に来るっていうのが大体の定番のお決まりパターンになると。
池内:はい。そうですね。
中西:なるほどね。僕のほうから先にネタバレみたくっちゃうんですけれども、毎月?演目が変わるんですよね。
池内:そうなんです。演目を定期的に変えていまして、その月々で、何日ごとに変えるかはちょっと違うんですが、出演者の予定を調整して組んでいるので、だいたい平均すると、毎月2つ違う演目が、約1週間、短くて1週間ごとだったりとか、10日ごと、長くて2週間ごとにみられるようになっています。
中西:けっこう頻繁に変わるんですねえ。
池内:そうですね。「毎晩変えるんですか?」って、たまに言われるんですけど、毎晩となるとちょっと大掛かりな照明とかも全部変えなきゃいけないので、大掛かりになるので、毎晩はさすがにしてないんですが、約10日ごとに変えてますね。
中西:なるほど。そのファーというサーカスは、いくらぐらいで見れるんですか? そのチケット代って、演目によって値段も変わるんですか? それって。
池内:演目によっては、値段は変わらないですね。ただ、テントがありまして、サーカスといえばテントなんですが、
中西:サーカスのテント小屋があって
池内:そのテントは、全部で330名入れるように座席がもうほんとにステージを囲むようにありまして、そのテント内、上から見たときに左右とセンターの部分に客席が分かれているんですね。その自由席がありまして、それが、今の時点だとおひとり大人18ドル。番号座席指定なしで7時半からテントを開けますので、その早く来た人が空いている席に座れると。 で、もう1つが値段からいくと35ドルの約倍の席がありまして、それはセンターの客席のエリアの座席の1列目、2列目、3列目、最大で46名入るんですが、その3列をいわゆる指定席ですね。
(*値段は2015年2月のものです。最新の値段はご確認願います)
中西:もう一番よく見える特等席。
池内:ほんと特等席ですね。を2つ分けて、シートを違った価格で販売してます。
桃子さんのカンボジアサーカスでのお仕事ってなんですか?
中西:なるほど。で、桃子さんは別にサーカスで演技をするわけじゃないですよね?
池内:そうなんですよね。
中西:桃子さんは、出る側じゃないんですよね。で、さっき、最初におっしゃっていただいたみたく、営業をされているというのがお仕事ということで・・・
池内:はい。裏方ですね。
中西:もうたくさんチケットを売るという、そっちのほうがお仕事ですよね。
池内:ほんとに毎晩ステージの上で盛り上げてくれるのは、もちろん出演者のみんななのですが、その雰囲気を出してくれるのは、やっぱりお客さんもその一部だと私は思っています。会場の人と盛り上がった雰囲気を作るには、やっぱりたくさんお客さんがいたほうが盛り上がるんで、そこの部分は、私のお客さんを引っ張ってくるっていうところが、私の仕事ですね。
中西:ガラガラの小屋のサーカスの寂しさっていったらね。
池内:はい、ちょっと笑顔をふりまくほうも寂しいですよね。誰に対して、笑いかけていいのかっていう。ガラガラの・・・
中西:トークがね・・・寂しいですよね。
池内:そうです。そんな感じだと思いますね。なので出る人も、満員になったときのほうがやる気は出るっていうのは言ってますね。
中西:ね、こうやって手拍子をこうやってこう観客席に求めるときも、やっぱり違いますよね。
池内:気分も盛り上がるみたいです。
中西:そのサーカスの営業ということをやられてるわけなんですけど、やっぱりみんな思ってると思うんですけど、カンボジアサーカスっていうこと自体も日本の人たちからすると聞きなれないんですけれども、そこで営業をされているというと、どうしてそんなところに、どこでどうつながってそんなとこに・・・
池内:言われます。(笑)
中西:っていう話は、必ず出てくるご質問だと思うんですけれども、もう何回も聞かれて言い飽きたと思うんですけど、その辺はちょっと教えていただいていいですか?
池内:そうですね。確かにまずカンボジアサーカスっていうものがあることと、そこで日本人が、私が唯一の日本人スタッフなんですけれども、それだけでも驚かれるんですが、よく「何をしているんですか?」ほんとさっきのご質問の通り、「何してるんですか?」って言われると「営業担当です」っていうふうに言っていまして。具体的に仕事の内容をお話しすると、お客さん、シェムリアップに来るお客さんの中でもいろんな方がいまして。例えば、若いバックパッカー、白人客の方だったりとか、あとは旅行というとピンとくるかもしれないんですが、団体のお客様・・・
中西:ツアーでこう来たり・・・
池内:ツアーのお客様。大きくわけると2つ違うタイプのお客さんがいまして、私の引っ張ってくる客層というのは、まさに旅行会社を通して、ツアーでやってくるっていうお客様たちなんですね。私がやらなければいけないのは、ツアーで例えばパンフレットとかで、よく「なんとかツアーいくらいくら」って売り出されてるじゃないですか。 あのパンフレットの中の例えば「3泊4日シェムリアップ」なのであれば、2日目の夜にカンボジアサーカスファーにご案内って・・・
中西:もう印刷されるっていう、組み込まれてる状態っていうのが一番狙ってる部分なんですね。
池内:お客様がこのツアーを買えば自動的に、例えば30名のグループだったら30名全員がサーカスにツアーのプログラムの1つとして来るという、この団体、ここでいうとツアー客の日程の中にサーカスを組み込んでいただくというのが、私の営業の課題です。一番の目標でやっているところです。
つづきます ⇒ (2本目 運命を変えたカンボジアサーカスとの出会いときっかけとは?)
【海外どうでしょう】管理人:中西 賢一
■ インタビュー日:2015.02.10