今回のインタビューは、「トリップアドバイザー」「アゴダ」等で抜群の高評価を維持して快進撃を続けるカンボジアの宿泊施設『ワンストップ・ホステル(One Stop Hostel)』のプノンペン店マネージャーとして活躍する西澤充晴氏。
一流企業の営業職という安定を捨てカンボジアへ。
群雄割拠のホテルやゲストハウスとの激しい競争の中で、西澤氏が目指している理想のサービスとは?
たっぷりと語っていただきました!
カンボジアで3店舗展開している宿泊施設『ワンストップ・ホステル(One Stop Hostel)』プノンペン店マネージャー。
「海外で働きたい」という夢を実現するために、上場企業の安定を捨て転職。
圧倒的な満足度とコストパフォーマンスをたたき出して「トリップアドバイザー」「アゴダ」等ホテル予約サイトで高評価を維持。
さらにカンボジアでトップを目指すために、日夜新たなマネージメントに挑戦中。
今回の西澤充晴さんとの対談インタビューラインナップ!
本記事は、全4本のインタビュー動画の最初の1本目となります。
1本目 右肩上がりの快進撃!「ワンストップ・ホステル」と他のゲストハウスとの違いは?
2本目 海外生活最大の不安だった「英語」をどうやって克服したか?
3本目 一流企業を脱サラして海外へ転職!不安を吹き飛ばすマインドとは?
4本目 西澤氏と「ワンストップ・ホステル」の今後の展開・ビジョンは?
特別動画 西澤充晴さんからあなたへのメッセージ
生の声、現地のライブ感が伝わる【動画版】はコチラ!
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「ゲストハウス」って何?
中西賢一(以下、中西):はい、じゃあ、今日はカンボジアのプノンペンで働いていらっしゃいます西澤充晴(ニシザワミツハル)さんにお話をお伺いしていきたいと思います。今日はよろしくお願いいたします。
西澤充晴(以下、西澤):よろしくお願いします。
中西:じゃあ、西澤さんご本人のほうからちょっと簡単にご自身の自己紹介をしていただいてよろしいですか?
西澤:はい。西澤充晴と申します。ただいまカンボジアのプノンペンで働いておりまして「ワンストップ・ホステル」というゲストハウス、ホステルですね。ホステルのマネージャーとして今働いております。
中西:「ワンストップ・ホステル」さん、ゲストハウスということですね。多分「ゲストハウス」と言っても、ピンと来ないかもしれない人もいるかもしれないんで、もうちょっと「ゲストハウス」ってどういうものなのかということから、ちょっと教えていただいてもいいですか?
西澤:はい。「ゲストハウス」というのは、宿というとホテルをイメージされる方が多いとは思うんですけど、「ゲストハウス」というのは、1つの部屋に複数人寝る形式で、ホテルのようにプライベートを非常に大事にした空間というよりはアットホームな、ほかの人と一緒に泊まるという形式なのが「ゲストハウス」の特徴です。
【注意】「ワンストップ・ホステル」さんは、「ゲストハウス」という名称を使用せず、「ホステル」というカテゴリ、スタイルで運営されています。
中西:その分値段が安く泊まれるということですね。
西澤:はい。そうですね。ホテルに比べて当然お手頃な、安く泊まりたい人は「ゲストハウス」に来られるという傾向がありますね。
中西:それをプノンペンでやられているということなんですよね。今1泊何ドルぐらいで泊まれるんですか?
西澤:はい。今1泊7ドルですね。
(注:20015年2月インタビュー時の宿泊料金です)
中西:1泊7ドル? 1,000円以内で?
西澤:1,000円以内で、はい。日本で言えば840円ほどで。はい。
中西:けど、実際今は「ホステル」や「ゲストハウス」っていうのは、結構受けてる・・・昔からあるんですけれども、今でも結構この形態というのは世界的には標準というか、ホテルだけじゃないっていう話なんですよね。
西澤:そうですね。最近になって若い方で世界中を長期間にわたって旅をされる方が非常に多くて、その中でやはり宿泊費を安く押さえたいというニーズが非常にあると思いますので、そういった中で「ゲストハウス」が選ばれているというのもありますね。
中西:実際に宿泊される方っていうのは、ちょっと経費を抑えたい方とか、旅人とか、バックパッカーみたいな方が多いということですね?
西澤:そうですね。バックパッカーで年齢も比較的、20代とか、若い方が多いですね。
中西:今ワンストップ・ホステルさん(プノンペン支店)は欧米人、日本人、アジア系の人っていうと、どういう割合になってるんでしょうか?
西澤:半数以上がもう欧米人ですね。アジアでも中国の方であったりとか台湾、あとはタイ、ベトナムとか。タイから来られる方というのが、3割~4割。残りの1割が日本人っていうかたちですね。半分以上はもうほとんど欧米人というかたちになってます。
中西:もともと欧米人向けをっていうか、欧米人をターゲットにして作ったっていう「ゲストハウス」なんですか?
西澤:そうですね。やはり、欧米人・・・「ゲストハウス」とかホステルに対するニーズが一番強いのが欧米人でしょうね。そこはやはりターゲットとしては、欧米人を意識してるっていうのはあります。
中西:そうですね。日本人って「ゲストハウス」を使うっていうのは、いることはいてもほんとにごく僅かですよね。パイとしてはですね。
西澤:ただ欧米人だけでいいっていうわけではなくて、やはり日本人のお客様にも来ていただきたいというのもありますし、日本だけではなくて、もっと韓国とか、ほかの東南アジアの国、「ゲストハウス」に馴染みのない国の方にも来ていただきたいというのはあります。
「ワンストップ・ホステル」のこだわりって?
中西:日本人が経営している、日本人が運営しているっていうことで、西洋人向けのホステルではあるけれども、日本人のサービスというか、日本人のクォリティとか、そういったものを取り入れていこうっていう、そういう感じなんですかねえ?
西澤:そうですね。意識してるっていうのは、日本のよさ、日本のおもてなしの心ですよね。どうやったらお客様に快適に過ごしていただけるんだろうという日本人の持っている「もてなしの心」っていうのは、常にビジネスに結び付けていかないといけないなというのは感じてます。
中西:それは、例え「1泊7ドル」であろうと、そこはちょっとやっていこうと。
西澤:そうですね。7ドルだけど7ドル以上のものをお客さんに提供しないと失礼と言いますか、継続的にやっていけるビジネスではないと思います。
中西:じゃあ、ワンストップ・ホステルさんのことについて、もうちょっと聞いていきたいんですけども、今ここはプノンペンで西澤さんが運営をやってるわけですけれども、プノンペン以外にもワンストップ・ホステルさんは支店があるんですよね?
西澤:そうですね。アンコールワットがある有名な都市である「シェムリアップ」というところにも1店舗、そして日本人の方にはあまりなじみはないんですけど、「シアヌークビル」というリゾート地にももう1店舗。合計3店舗あります。
中西:カンボジアに3店舗あるっていうことですよね?
西澤:はい。カンボジアに3店舗ですね。
中西:ワンストップ・ホステルさんは、3店舗あると。どれぐらい前から展開を始めてるんですか?
西澤:ビジネスが始まったのは、もう2年前(2013年)。2年前の春。
中西:プノンペンが1号店。
西澤:プノンペンが1号店で、2号店がシェムリアップ。3号店が昨年(2014年)の12月にオープンしたんですが、シハヌークビルが3号店という。
中西:じゃあオープンしたてですね。シアヌークビルは?
西澤:そうですね。
中西:うーん。なるほど。どれも今は順調に稼働してると・・・
西澤:そうですね。お客様には感謝をしなければいけないんですが、お客様に愛していただいています。
中西:ちょっと考えると、「ゲストハウス」を作ったからじゃあ「すぐ稼げる」とか、「すぐお客さんが入るか」というと、なかなかそうはいかないとは思うんですね。けど、実際こう2年ぐらいの間に3店舗展開をされてて、集客もうまくいって、ある意味うまく稼働されてるわけですけれども、この勝因というか、何がうまくいったか、戦略・戦術だったりというのはありますか?
西澤:非常に難しいとは思うんですが、やっぱり「ゲストハウス」っていうと安い。7ドル、6ドルとか5ドルとか非常に安い値段で泊まれる。ただ、その一方で多くの「ゲストハウス」のビジネスをやってる多くの人が思ってるのは、「7ドルだったらそれ相応のサービスでいいだろう」「7ドルだから要は10ドルを切るからちょっと手を抜いてもいい」と、そういう考えの方が非常に多いのかなと。サービスに対して安いからちょっと手を抜いてしまうというところが多いというふうに感じるんですね。逆にそこが要は付け入る隙といいますか、そこがある意味勝因なのかな。7ドルだから、7ドルも頂いてるからこそ、もっともっと7ドルで追求できるところまで追求しなければいけない。そこを考えているからこそ、ほかの「ゲストハウス」さんとかホステルさんに対して差別化ができて、生き残ることができてるのかなと。
中西:今このプノンペンだったりカンボジアで「ゲストハウス」の相場っていうのはいくらぐらいなんですか?
西澤:相場は、5ドル~6ドルっていう線になりますね。
中西:今頂いている7ドルというのは相場より若干高い値段になってる?
西澤:そうですね。どちらかというと、ホステルの中では比較的ちょっと高めの価格設定となってます。
中西:結構それでもほかのよりはちょっと旅人にとったら、1~2ドルって大きいですよねえ。
西澤:そうですね。でかいですね、はい。
中西:それでも7ドルのところを選ぶっていうのは、やっぱりサービスの部分が評価されてるってことなんだと思っていいわけですよね。
西澤:そうですね。やはりお客様に「ここに泊まってよかった」「ここに泊まってしっかりと疲れを取ることができた」と思っていただいてるからこそ、ここまで選んでいただけているのかなとは考えてます。考えてはおります。 片やその一方で、なかなか全てのお客様がそうではないという気にも、中には7ドルは高いというふうに感じてらっしゃるお客様もいらっしゃるので、そこの対してもっともっと7ドルでこんなにも素晴らしいサービスが受けられるのかというような気持ちになっていただくためにも、もっと努力していかないといけない・・・
中西:「ゲストハウス」に泊まるというと、結構設備がひどかったりとか、ほっておかれたりとか、安全面とか、結構共同だから、なんかこうモノが盗まれたりとか、なんかトラブルとかちょっとクセのある人が居座ってたりとか(笑)なんかいろいろありますけれどもね。そういうところはやっぱり西澤さんのほうが気を使っているという感じですか?
西澤:ほかのホステルさんも、もちろん気を使ってるとは思うんですが、そこがいかに宿泊業の中で、セキュリティであったりとか、安全面、安全とか清潔感、そこはもうできて当然のとこだと思うので、そこに対して気を遣うのは当然、むしろできてないほうがまずい・・・おかしいといういい方はひどいですけど、そこはもうできて当然という意識は常にあります。
現場でのコミュニケーションやマネージメントは?
中西:西澤さんから見て、ほかにはなくて、うちにはある。その差別化している部分が「日本クォリティ」だということであれば、その「日本クォリティ」というのはどんなことになりますか? 清潔さだったりだとか、なんかこう時間とか、何かこうここまでいろいろしてあげてるとか、挨拶だとか、どの辺にこだわってらっしゃいます?
西澤:実を言うと、すべて今中西さんがおっしゃられたすべてに対して気を遣ってまして、ただ一番考えてるのは、やっぱり「きめ細やかさ」というのは、常に意識はしてますね。常にお客様のことを考えてきめ細やかに対応する。そう考えるとやはり挨拶というのをちょっとおろそかにしてはいけませんし、ちょっと床が水で濡れているというのは、ほっとくわけにはいかないので、常に気を配ることに、そこに一番、きめ細やかさに一番気を遣っています。
中西:それは、多分西澤さんは日本人だから多分それはパッと分かると思うんですけど、それをじゃあ、スタッフの人たちに伝えていくとか、実際にそれを理解してもらってやってもらうっていうのは、なかなか難しいんじゃないかなと思ってるんですけれども、実際どうですか?
西澤:実際そこは非常に難しいですね。1つは文化の違いというのもありますし、正直なところ、カンボジアの方々の生活というのは、日本人のような非常に清潔な生活をしているわけではなく、かなり居住環境の悪い中で生活していますので、皆さん、私たちが問題意識を感じるとこに対して、カンボジア人は何でここが悪いのか、これ汚いのかって思うことが非常に多いので、私が「ここはこうしたほうがいい」ということをスタッフにも指導をさせていただいてはいるのですけれど、そこに対して非常に疑問とか、必要性を感じないというのは、非常に多くありますね。
中西:じゃあ、その辺は、日々いろいろやりながら、何て言うか、王道はないと思うんですけれど、日々日々細かく指導してるという感じですか?
西澤:そうですね。指導というよりもまず自分がやらないと、言うだけで自分がやらなかったら、それは、「お前は何を言っているんだ」という話になるので・・・
中西:じゃあ、やっぱり自分が率先してやって見てもらってっていう感じで・・・
西澤:そうですね。自分が率先してやって、それがお客様に「ありがとう」であったり、お客様の喜ぶ姿、そこまでスタッフには見てもらうことで、私自身のやっていることの、行動の意義、こういう意味があるんだなというのを感じてもらえたらなと。それで一緒に掃除とかもそうですけど、できるだけ一緒にやるように、はい。
中西:今のワンストップ・ホステルさんの強みっていうのは、値段以上の価値を提供できているから、それが評価していただいているっていう感じなんですね。わかりました。
つづきます ⇒ (2本目 海外生活最大の不安だった「英語」をどうやって克服したか?)
【海外どうでしょう】管理人:中西 賢一
■ インタビュー日:2015.02.13