今回のインタビューは、宿泊施設『ワンストップ・ホステル(One Stop Hostel)』オーナー兼経営者である西澤慶彦氏。
カンボジアの3つのエリア(プノンペン・シェムリアップ・シアヌークビル)でホステル事業を展開、圧倒的なスピードで人気ホステルに育て上げる。
外資系証券会社で磨きあげた抜群のスキルと、すさまじい若きハングリー魂と行動力で結果を出し続けています。
そんな彼のクレバーな思考と理念、思い描く理想の未来とは?
たっぷりと語っていただきました!
カンボジアで3店舗展開している宿泊施設『ワンストップ・ホステル(One Stop Hostel)』オーナー兼経営者。
医師の家系に生まれ、医者になることを期待されながらも親に反発し外資系証券会社へ。
外資系証券会社でスキルを積み上げ、東南アジアエリアでの海外ビジネスに進出。
カンボジアに3店舗のホステルをわずか1年半で立ち上げ、圧倒的なスピードで人気ホステルに育て上げる。
その勢いは継続中で、さらなる事業拡大を目指す。
今回の西澤慶彦さんとの対談インタビューラインナップ!
本記事は、全6本のインタビュー動画の2本目となります。
1本目 なぜ一流外資系企業の輝かしい地位を捨ててカンボジアで起業したのか?
2本目 なぜカンボジア?なぜホステル?運命を変えたインドネシア人との出会いとは?
3本目 なぜ複数店舗を運営するのか?そしてその圧倒的集客のシンプルな方法とは?
4本目 大当たり!予定外だったシアヌークビル店オープンを決断したきっかけは?
5本目 西澤氏が分析!海外ビジネスでうまくいかない人とうまくいく人の「違い」とは?
6本目 失敗する人はこんな人!海外起業の心得と西澤氏の大いなる今後の野望とは?
特別動画 西澤慶彦さんからあなたへのメッセージ
生の声、現地のライブ感が伝わる【動画版】はコチラ!
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なぜカンボジアで起業?
中西賢一(以下、中西):それで転職をしようと。次こういうふうなステップに行こうと思ったときに、なぜゲストハウス、なんで海外というふうに思ったんですか? 日本の中でもそれはできたわけですよね? しかも、自分でコンサルタントとして、同じ業種でステップアップということもできたわけじゃないですか。それでも異業種、異国を選んだっていうのは、なんかきっかけみたいなのがあったんですか?
西澤慶彦(以下、西澤):やはり、単純に現在の日本という市場を考えたときに、日本という環境を考えたときに、誰も日本が成長市場だとは思っていないですよね。じゃあ、一方ですぐ近くに東南アジアという今まさにこれから伸びようとしているところがあるわけじゃないですか。 だったら、そちらで起業したほうが面白いんじゃないかと。シュリンクしていく市場でやるよりも、これからどんどん拡大していく市場でビジネスをやったほうが、当然、事業をでかくできる可能性もあるんじゃないかというふうに考えて、東南アジアを選んだんですけど。当時は、ミャンマー、ミャンマーが注目されていた時期で・・・
中西:2011~12年ぐらいですか?
西澤:そうですね。2012年ですね。ちょうど「ミャンマー」という国名がいろんな新聞テレビに出てきたときで・・・
中西:最後のフロンティア的なそういう・・・(笑)
西澤:そうですね。で、僕もそれに乗っかってしまいまして、ミャンマーなんじゃないかと。ただ、ミャンマーだけじゃなくて、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーと4カ国ですね。見て比較して決めようと。で、1カ月間の旅に出て、その結果、ミャンマーは違うと。個人が起業するにはそれほど良い環境ではないというのがわかりまして、それでカンボジアを選んだという次第です。
中西:マーケットの魅力と、あとはビジネスの立ち上げがしやすいという・・・
西澤:そうです。環境がよかったので。
中西:マーケットありきで市場、カンボジアを選ばれたということで。どこのタイミングで、じゃあ、カンボジアで・・・カンボジアが先なわけですか?
西澤:そうですね。カンボジアが最初です、はい。
中西:それはやっぱりここでいろいろマーケットリサーチをしているうえで、「あ、ここだったら一番いいのはゲストハウスだな」と。そういう流れですか?
西澤:本来であればそのようにすべきだったんですけど、残念ながら、2012年の4月にカンボジアに来たんですけど、その時点で何をやるか決まってなかったんです。
中西:カンボジアだけ決めた。まだ、そのときは、会社は辞めてなかった?
西澤:辞めてますよ、はい。辞めてもう1年近く経ってたんですけど、その時点では、明確にこれだっていうのが実はなくて、カンボジアに到着して、当然、初めはアパートもないですので、ゲストハウスに泊まることになりますよね。
中西:すいません。順番がちょっと前後しちゃうんですけど、そのときの今の場所ってプノンペンですか、シェムリアップ?
西澤:プノンペン、はい。
中西:首都のプノンペン。
西澤:首都のプノンペンに4月の10日に来まして、何をしようかと。何をしようかと毎日考えるわけですけど、取りあえず、どこかに泊まらないといけないということで、お金も節約したいので安宿を探します。当時、「リバービューホテル」という名前の手ごろなゲストハウスがあったんですね。
中西:ホテルという名のゲストハウスが?
西澤:そうですね。ゲストハウスですね。そこに泊まって非常によかったんですよ。ロケーションもよかったし、居心地もよかったので、そのままエクステンドですね。延長して・・・
中西:そこは1泊何ドルぐらいだったんですか?
西澤:1泊・・・当時は、4月で、カンボジアで観光シーズンがオフシーズンになるので、1泊15ドルで済みました。
中西:ゲストハウスにしては、ちょっといい値段かなあ、ぐらいの。
怪しいインドネシア人との運命の出会い!
西澤:そうですね。まだ新しかったので、十分15ドルの価値はあると思ったので、泊まってたんですけど、そこで、そのゲストハウスのオーナーがインドネシア人だったんですね。彼とたまたま知り合って、僕は彼にディスカウントを交渉したんですよ。「これから1カ月泊まるから安くしてくれ」と。
中西:そこはしますよね。
西澤:はい。結局2ドルぐらい安くしてもらったんですけど、そのためにインドネシア人と会って、そのインドネシア人が気さくな人でいろんなことを教えてくれたんですね。
中西:経営者としての話だったり・・・
西澤:そうですね。怪しい話なんですけど、いきなり「おまえ、このゲストハウスを買う気はないか」って。
中西:怪しいですね。(笑)
西澤:怪しいですよね。彼、見た目もものすごく怪しいんですよ。
中西:何歳、いくつぐらいの方なんですか?
西澤:47ぐらいの、太ってて、身長も190ぐらいあって、ハゲてて、いかにも怪しいんですよ。英語もすごい訛っていて、インドネシア訛りだと思うんですけど、いかにも怪しいインドネシア人なんですけど、その彼から「10万ドルぐらいでゲストハウスを買わないか」という話が来て・・・
中西:それ、新しかったんですよね?
西澤:そうなんですよ。オープンして1年しか経ってないのに怪しいじゃないですか。(笑)うまくいっているって言うんですよ。「ずっとお客さんはいっぱいだった。オープンしてからいっぱいだった」。オープンして半年だったんですかね。「半年間お客さんはいっぱいだった」って。 じゃあ、何で売りたいんだっていうことなんですけど、そこから、そういう話がきたので、仲良くしていたので、すぐには「NO」とは言わずに計算してみようかと。じゃあ、ちょっと財務データを見せて。どのぐらいの収支があってっていうのを見て、悪くはないんですね。
中西:利益は出てて?
西澤:利益は出てると。ただ、10万ドルでこれを買ってしまうと、その利益だと投資回収が・・・
中西:ちょっとかなり先だなと?
西澤:そうですね。かなり先だと。あまり魅力的ではない。そういうことで、現状維持はあり得ないといいますか、ゲストハウスを買ってそれを現状維持っていうことは、まず有り得ないので、何か変えないといけないと。すぐ考えられるのが、1階が何にも使われてなかったんですね。
中西:え、ホテルなのに?
西澤:ホテルなんですけど、1階はロビーだけなんですよ。レストランもなければ、バーもなくて、何もなかったので、じゃあ、レストランを入れたらどうだろうか。インドネシア人から言われたんですよ。レストランもバーもやればいいと。ああ、そうかと。じゃあ、レストランとバーを入れたときのどのくらい利益が増えるかっていう計算を、自分なりにするわけですよね。そのためにプノンペンのリバーサイドを毎晩歩いて、どのレストランにどのバーにお客さんが入って、どういうとこには入っていないのか。
中西:ちょっとリサーチを?
西澤:そうですね。リサーチをして、そこでレストラン、バーを入れるということだけではなくて、コンビニってことも考えたんですね。
中西:もう、こっちは「マート(コンビニ)」がありますものね。
西澤:と同時に、1階部分で何かをやるというところではなくて、ゲストハウスは8部屋あったんですけど、その8部屋という部屋をどうするのか、現状維持するのか、それともアップグレードするのか。 当時は、15ドルから25ドルで売っていた部屋を40ドルで売るために何かをするっていうのも考えられますし、それよりも安くすると。安くするという場合には、「ホステル」というアイデアがあったので。なので、その宿の部分をどうするかというところと、あとは新規ビジネスをどうするかという、2つの部分が、考えなければならないこととしてありまして・・・
中西:客単価をあげるためにはどっちを選ぶかみたいな話ですよね。
西澤:そうですね。いろんな組み合わせがあるわけですよ。ゲストハウス、プラスコンビニ。ホテル。ちょっと高めのホテル、プラスバー。安めのホステル、プラスコンビニ。いろんな組み合わせがあるんですけど、その中でわかったのが、1階で何かやっても多分儲からないだろうという結論になりまして。ロケーションは悪くないんですけど、外部からお客さんがとれるようなロケーションでもないんですよね。ですので、1階にコンビニを入れたり、レストランやバーを入れてもたいして儲からないだろうと。
中西:回転悪そうですね。
西澤:そうですね。ということで、じゃあ、1階は何もやらないということで。そうすると、宿だけで稼げることを考えなくちゃいけない。で、現状維持っていうのはなかったので、高めの価格帯にするか、それともホステルに切り替えて、ベッド数を増やして単価を下げるかっていう、どちらかの2択になった・・・
中西:ドミトリー式にベッドをいっぱい中に入れると。8部屋しかないわけですよね。
西澤:そうなんですよ。8部屋しかないので、単純に「売上高=お客さんの数×単価」なので、お客さんの数を増やすためには、ドミトリー。単価を上げるためには、その高級のホテルにシフトするということもあったんですけど、根本的な問題として、細長い建物で6階建てだったので、高いホテルなのにエレベーターがないって有り得ないじゃないですか?
中西:確かに。それはちょっと高級ホテルとしては使いにくいですね。
西澤:6階建ての高級ホテルでエレベーターがないっていうのは、それはもう致命的な問題なので、そういうことから「これはホステルしかない」ということで、ホステルで。でも、計算してみると、採算は合うんですけど、1日30人、40人入るってイメージはなかなかできなかったので、そこからバンコクに行って、バンコクのホステルを泊まり歩いて、イメージが膨らんで、これだったら30~40人ぐらいいけるかなというので、ゲストハウスのビジネスを買いとることにしたと。
中西:まだ、30~40人入るゲストハウス、ホステルっていうのが、イメージとしてつながらなかったんだけど、それをやってるところを見たらつながったという感じなんですね。
西澤:そうですね。はい。
中西:バンコクでちょっとホテルがあって、バンコクはゲストハウスが結構多いですもんね。
西澤:進んでます。レベルも非常に高いので、そこはほんとに参考になりまして、バンコクからアイデアをもってきて今ホステルをやろうという気になったというのが、ホステルを始めた経緯ですね。何の計画性もなかった。ほんとにたまたま・・・はい。
中西:けど、そのたまたまっていうか、出会いでそう流れてって言うね。なんか面白いですね。今こうやってお話を聞くと。最初からこうやって決めてきたっていうんじゃなくてね。
西澤:皆さん、そんな感じだと思いますよ。
中西:迷って、迷って?
西澤:はい。考えて考えて見つかればいいんですけど、なかなか見つからないですし、やってみないとわからないんですよ。考えてて儲かりそうだなっていうイメージがあっても、実際やってみないと分からないんですよね。カフェをやるっていうアイデアもあったんですけど、カンボジアでカフェをやってたら死んでいたと思います。今はもう・・・
中西:カフェだらけ・・・
西澤:カフェだらけですね。
中西:エアコンかWi‐Fiかっていったって、そんな差別化できないですよね。
西澤:そうなんですよ。
10万ドルのホテル経営権をゲット!
中西:なるほど。けど、戻ってきて、そのインドネシア人の方がやっていた、そこでやるわけじゃないわけですよね? そこでやり始めるわけですか?
西澤:そうです。彼から経営権を・・・
中西:買い取った?
西澤:そうですね。10万ドル前後で買い取りまして、そこから2カ月間かけて、リノベーションしてホステルにして、8月の17日にオープンと。
中西:それは2012年の8月?
西澤:2013年。
中西:2013年の8月にオープン?
西澤:はい。
中西:もう、じゃあ、そのインドネシア人は怪しくなかったんですね。
西澤:周りから「あいつはやばい」と言われてたんですけど、完璧に恩人でしたね。彼と出会わなかったら、ホステルこういうアイデアは出てこなかったと思うので。
中西:ですよね。彼がやってたからね?
西澤:完璧に非常に親日なインドネシア人でしたね。
中西:うーん。特にそれであと、トラブルもなく?
西澤:そうですね。契約が絡んでるトラブルは1度もなかったですね。
つづきます ⇒ (3本目 なぜ複数店舗を運営するのか?そしてその圧倒的集客のシンプルな方法とは?)
【海外どうでしょう】管理人:中西 賢一
■ インタビュー日:2015.02.16