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カンボジアボランティアから社会を変えるビジネスへ!熱血漢の新たな挑戦【中江大樹】(3/5)

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カンボジア中江大樹氏アップ画像
今回のインタビューは、『ORCHUN CROWN』代表である中江大樹さん
学生時代からカンボジアでのボランティア活動に従事。「井戸」や「学校」といった日本人定番のボランティア活動の問題点や矛盾などから、石鹸をつかった「手洗い」のボランティアを開始。「衛生」という概念のないカンボジアで草の根的に活動し、実績をあげる。
カンボジアにおける学生のボランティア活動のおかしな実態とその問題点は?ボランティアされる側のカンボジア社会の課題は?
学生ボランティア活動の裏側を知り尽くし、カンボジア社会にも深く入り込んでいる中江大樹氏に、たっぷりと語っていただきました!

中江大樹(なかえだいき)氏
『ORCHUN CROWN』代表、『C.S.Design Office』デザイナー、『関西カンボジアネットワーク』副代表。
学生時代から、ボランティア、ビジネスにおいて、カンボジアと深くかかわる。
日本とカンボジアを行き来して、関係強化、発展に尽力している。

今回の中江大樹さんとの対談インタビューラインナップ!
本記事は、全5本のインタビュー動画の3本目となります。


1本目 石鹸が命を救う?学校を作るボランティアの問題点と葛藤から選んだ道とは?
2本目 井戸掘りボランティアは大迷惑?掘ることより大事なこととは?
3本目 アパレルビジネスで手痛い失敗?納期遅れの無限ループとは?
4本目 死ぬかと思った!コレラから命を救った伝統療法「クルクメール」とは?
5本目 中江氏の今後の展開とビジョンとは?心に留める近江商人の教えとは?
特別動画 中江大樹さんからあなたへのメッセージ


生の声、現地のライブ感が伝わる【動画版】はコチラ!

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クオリティはいいけど売れない商品?

中西賢一(以下、中西):ということで、実際に今新しくビジネスを自分でやられると。NGOから、ビジネスをやろうということなんですが、どんなビジネスをじゃあ今後・・・今後っていうか、もう始めてるっていう感じなんですか?

中江大樹(以下、中江):そうですね。新たに始めようとしていることとは、また違うんですけど、もともとアパレル関係をやりたいなと思って。それも一昨年から2年ぐらいちょっとやってたんですけども、それは、カンボジア人がやってるNGOなんですけども、女性の障がい者、地雷の被害にあったりだとか、小児性まひ、ポリオとかの病気で、身体に障害を持っている女性を雇用して職業訓練をしているNGOがあるんですけれども、ちょっとしたポーチとか財布を革で作ってるんですけど、なかなか売れない。ものはいいんですよ。
カンボジア中江大樹氏と中西賢一対談画像
中西:お土産用で売ってるみたいな?

中江:そうです。プノンペンはもともと観光客の少ない所なんで、路面で販売してもなかなか売れないんです。で、ものはすごい、いいんですよ。で、それを何とかして応援したいなっていう気持ちになったんですよ。初めはそれをいくつか買って帰って、日本でフリーマーケットに並べたりとか、いろいろしてたんですけど、それは続かんなと。
カンボジア中江大樹氏と中西賢一対談画像
中西:ビジネスという感じではないですよね。

中江:そうなんですよ。本格的にそれをやっていきたいなと思ったんで、そこで日本でも流行るようなデザインの服とかを仕立ててもらって・・・

中西:もうデザインして「これを作ってね」みたいな感じ・・・

中江:それを日本でできたらええなというので、ちょっと日本で試しにやってみようかってんで、もちろん、全然僕は、デザインとか、やったことはないんですけど、もう見よう見まねで・・・

中西:自分でやったんですか?

中江:自分で。はい。(笑)靴でもその辺の路面に小ちゃいテーラーさんがいるんですよ。手作業で靴を作ったり、技術はすごいいいんですよね。丈夫な靴ができるんですけど、でも、それはなかなかマーケティングというか、販売ができへんので、もったいないなと。それをどんどん海外でも売れるクォリティにしたらと。今履いてるの、見えるかな、こんな(靴を見せる)
カンボジア中江大樹氏と中西賢一対談画像
中西:ツートーンのね。革ですよね?

中江:これ、はい。これは合皮なんですけども。

中西:でも、きれいにできてますよね。

中江:ありがとうございます。

カンボジアでビジネスがうまくいかない理由とは?

中江:こんなん作ったりとか思ったんですけど、なかなか思うようにはいきませんで。というのは、服でもそうなんですけど、靴でももちろんいろんなとこからパーツ、パーツを買ってきたものを組み合わせる作業なんですけど、業者に連絡をして、服のタグだったんですけど、タグをちょっと発注したいと。「分かった」と。「1週間待ってくれ」と言われて。「1週間たってサンプルができたら電話する」って。「分かった、待ってるよ」って電話を切って1週間待ったんですけど、案の定連絡は来ない。

中西:よくある話で(笑)

中江:で、2,3日オーバーして10目ぐらいにこっちから電話したんですよ。「もしもし」って、「先週見積もりを出してってあの件どうなってる」と。「ああ、もうちょっと待って」と。「できてないから、あと1週間待って」、「ああ、分かった、分かった」と言うて待って、2週間待ってもまだ連絡来うへんと。 また、こっちから電話して「もしもし、あの件どうなった?」「あああ、見積もりな、まあまあ、もうちょっと待って、もうちょっと待って」(笑)その時点でこっちはもう納期は遅れてるんですよ。けど「まだ、待ってくれ」「ああ、分かった」結局1カ月ぐらいかかって、見積もりだけでですよ。 で、そこから発注して、じゃあ、2週間後に届くって言われてたのが、同じように当然来ないじゃないですか。(笑)当然じゃないですけど。(笑)3カ月ぐらいかかって。

中西:うわあ、タグだけで?

中江:タグだけで。(笑)また別の金具とかは、また別の業者に連絡してとかで、もうね・・・

中西:それは商品にならないでしょ?

中江:ならないですよ、全然。待ちになっちゃう、こっち。(笑)

中西:いつまで経ってもできあがらないみたいな。

中江:カンボジアの人は、それで、でも成り立ってるんですかね。成り立ってるんですよね。よく言えばおおらかなのか、寛大なのか、悪く言えばルーズなだけなんですけどね。(笑)
カンボジア中江大樹氏と中西賢一対談画像
中西:アイデアはよかったんだけれども、ちょっと商品には・・・

中江:こりゃあ無理やなと。(笑)

中西:そういう結論にいたったと。

中江:そんなこともありつつ・・・

中西:じゃあ、もう今はそれは全くやってないっていう感じで・・・

中江:いや、もっとこっちに、もうちょっと体力が付いたら、もう1回やりたいなと思うんですけども、やっぱりさっき言ったNGOの人とか、力になれることがあったらやりたいなっていう気持ちもあるんですけど。

中西:あとは納期とかっていうところで、彼らの意識だったりだとか、仕組みがきちんとできてる業者さんと組めれば、またちょっと違ってくるかも・・・

中江:そうですね。そうじゃないんであれば、そこを変えていくっていうのも、自分がせなあかんことなんかとも思うんですけどもね。あとはどれだけ望んでるかですね。向こうも。別に日本で売りたくないとか、思ってないのに無理強いされても迷惑なだけやし、向こうも。
カンボジア中江大樹氏と中西賢一対談画像
中西:そういう失敗体験があったと。(笑)

中江:そうなんです。

中西:そこでアパレルはちょっと止めようと思って、次はまた新たなものをって思ったんですね。

つづきます ⇒ (4本目 死ぬかと思った!コレラから命を救った伝統療法「クルクメール」とは?

■ インタビュー・撮影・編集
【海外どうでしょう】管理人:中西 賢一
■ インタビュー日:2015.02.13
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