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運命の出会いからカンボジアサーカスの営業職へ!行動で夢をつかむなでしこ【池内桃子】(5/6)

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カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』池内桃子氏アップ画像
今回のインタビューは、『カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』』アシスタントセールスマネージャーである池内桃子さん
アンコールワットに続く新しいカンボジアの観光の目玉として注目されているカンボジアサーカス『ファー(PHARE)』。
そのカンボジアサーカス『ファー』で、唯一の日本人として営業を任されている彼女。なぜカンボジアのサーカスで働いているのか?その運命の出会いときっかけは?あこがれの職場で働けるようになるまで、自分の気持ちに素直になるために、彼女はどのような行動をしてきたのか?
彼女の人生を変えるほどのインパクトを与え、カンボジアの新たな自立支援&ビジネスモデルの可能性を秘めるカンボジアサーカス『ファー』とは?
NHK「アジアで花咲け、なでしこたち」にも出演した池内桃子さんにたっぷりと語っていただきました!

池内桃子(いけうちももこ)氏
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』アシスタントセールスマネージャー。
カンボジア・バッタンバンでの日本語教師を経て現職。
サーカス唯一の日本人として、日本人ツアー客を中心に営業や広報等を担当。

今回の池内桃子さんとの対談インタビューラインナップ!
本記事は、全6本のインタビュー動画の5本目となります。


1本目 カンボジアサーカスって何?サーカスの営業職って何やるの?
2本目 運命を変えたカンボジアサーカスとの出会いときっかけとは?
3本目 私は本当にカンボジアが好き?道を決めるためにとった行動とは?
4本目 カンボジアサーカス「ファー」社長にスカウトされた!そのきっかけとは?
5本目 営業ど素人でもやるぞ!共感した「ファー」のコンセプトとは?
6本目 池内さんの今後の展開やビジョンは?そして例のテレビ出演どうだった?
特別動画 池内桃子さんからあなたへのメッセージ


生の声、現地のライブ感が伝わる【動画版】はコチラ!

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カンボジアサーカスの母体や仕組みって?

池内桃子(以下、池内):もちろん、この話をする前に、バッタンバンのサーカス学校は、NGOが母体で学校を運営しているんですね。ただ、シェムリアップにテントを開く際には、ここを会社として登録して、ビジネスとしてショーを毎晩やっていこうということで、そういう基盤をもともと作っていたみたいで。それを自主的に経営していくうちの営業スタッフとして。
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』池内桃子氏と中西賢一対談画像
中西賢一(以下、中西):じゃあ、ほんとにNGOが元なんだけれども、ちゃんとそのサーカスはしっかりと売り上げを立てて利益を出してというところをほんとの目的としてスタートしたという感じなんですよね。

池内:そうですね。ほかの会社と少し違うところは、その利益を出す目的というのが大きく2つありまして、1つがバッタンバンでの学校運営を自分たちの手で今後も続けていくために学校の運営費にあてることですね。というのも、規模がすごく大きくて。先にお話しした4つのアートの分野以外にも小学校から高校までと、最近は幼稚園も中にできたんですね。
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』池内桃子氏と中西賢一対談画像
中西:え、NGOの学校がそんなに大きいんですか?

池内:はい。今じゃ公立みたいなんですけど、公立の小学校から高校までそこの同じ敷地内にあって、サーカスとかを習わなくても村の中にあるので、普通の学校のように勉強をしに来るためだけに通いにくる子もたくさんいるんですよ。

中西:なるほど。全員が全員、その卒業生がサーカス団員になるとか、そういうものじゃなくて・・・

池内:全然。やりたければやっていいし、別に興味がなければなにも。学校からやりなさいというのはないので、ほんとにあくまでもやりたいという子が、サーカスだったり音楽だったりというのをやっていて、その普通教育も、とにかくその学校に習いに来てる、サーカスであれ、小学校の勉強だけであれ、来てるって子は1,200人約現在いるそうなんですね。

中西:いますね。(笑)

池内:すごいいますよね。(笑)私もパッと想像ができない規模なんですけど。そういったことをすべて無料で行っているので、もちろん学校の施設維持費だったりとか、人件費も全員がボランティアじゃないので。その日々の教育活動訓練の中で必要な経費を自分たちで捻出して、今後も持続的に展開していくためにはお金が必要だと。そのお金をどうやって手に入れるか、生み出すかっていうと、それが、それを解決するために作られたのがシェムリアップの今のサーカスなんですね。なので、チケットの売り上げは学校に還元されます。もう1つは、ここでカンボジアサーカスファーは、シェムリアップで毎晩公演をやっているのは、そこの学校を卒業した人たち、卒業したアーティストたちか、もしくは訓練生であっても、経験をより積んでいる人たちっていうのをこちらで出演者として雇って、お給料を支払ってやっています。かたちとしてはお給料ということなんですが、サーカスで仕事を探すって日本のプロの人にとってもすごい難しいんじゃないかなあ・・・
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』池内桃子氏と中西賢一対談画像
中西:かなり間口が狭いというかね。(笑)

池内:そうですよね。どうやって皆さん仕事を探しているのか私もちょっと分からないのですけど、そういうことにならないよう、今まで身に着けてきた技術というものを・・・

中西:なんか雇用をうまく生み出して回転させていくっていう、そういうところのちゃんと仕組みを作るっていうのもあるんですよねえ、1つね。

池内:今までお話ししたのは学校組織としての部分なんですけども、じゃあ、そこに通ってる子たちはどういう子たちかっていうと、NGOなので、来たいという子は、どの子も基本的に受け入れているんですが、例えば、サーカスをやっている人たちの多くが、貧しい家庭の出身で孤児というわけではないんですね。「貧しい=孤児」ではなくて、きちんと親はいるんだけれども、例えば父親がアルコール依存症で、自分もいつも殴られてたりとか、あとは兄弟がすごくたくさんいて、ただ、うちはまずしいから十分に食べられない。学校に行く時間を削って路上でお菓子を売り歩いたりとかっていう子たち、そういう過去を持った子たちが多いですね。大きくくくってしまうと、「貧困」っていうところから抜け出すためにサーカスとか音楽とかを身に着けて、それを仕事としてやっていて、自分で収入を得て、家族も支えてもらおうということでやっているので。ここで彼らが得ているお給料というのは、彼らはそういうふうに使っているのではないかなあと。
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』池内桃子氏と中西賢一対談画像
中西:なるほどねえ。

池内:なので、ただショーを毎晩やって、チケットをバンバン売って会社をどんどん大きくするためにっていうそれだけが目的ではないですね。もちろん会社だと経営も続けなきゃいけないでしょうし、ただそれだけが目的ではないっていう。

「営業」って仕事は楽しいですか?

中西:ちゃんと母体というか、NGOがあってというところにも共感して働いているということですよね。なるほど。実際サーカスの営業ってちょっと特殊だと思うんですけど、営業はどうですか? (笑)

池内:そうですね。今の心境から言うと、総じて楽しいなっていうのがありますね。「営業」っていう言葉だけを聞いていたときは、例えばノルマだとか、胃がキリキリするとか・・・

中西:イメージがありますよね、やっぱり。

池内:そんな悪いイメージしかなったですね、正直。自分で選びたかった職業かというと実際そうではなくて、そんな仕事絶対したくないって思う仕事の1つだと思うんです。(笑)
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』池内桃子氏と中西賢一対談画像
中西:そうか。サーカスの何か仕事を携わりたいっていっても別に営業を志願したわけじゃないっていうことなんですよね。

池内:そうですね。はい。あちらから日本人でしょうと。日本人は日本人とビジネスをするから、日本人として日本の旅行客、日本のお客さん団体の方が多いので、たくさんの営業をしたいと思うからというふうに声をかけてもらって、なので、営業は選んだわけではないですね。言われたのが営業だった。

中西:そう考えるとやっぱりイメージで大変だなあと思って・・・

池内:正直、自分でいいのかなあっていうふうに思いますし、聞きましたね、社長に。「私でいいんですか」と。「営業したことないんですけど、私でいいですか」というのを聞いてから、入ってみて違ったといわれると困るんで一応聞いてから(笑)それでもいいと言ってもらえたので履歴書も出して。

中西:けど、そんな営業の未経験、ど素人という中で営業を始めて、もう何年ぐらい経つんですか?

池内:3年目にちょうど入ったところです。

中西:3年目。続いてるじゃないですか? (笑)

池内:そうですね。私の中でどんな仕事にしても、1つのことを長く信念を持ってやってる方ってすごく憧れるんですね。確かに1つのことをずっと続けるだけがいいとは限らないんですけれども、すごい・・・職人さんみたいな人とか、何かこれだけをずっとやってますっていう人って、なぜか憧れるんです。なので、そういうものが私のベースに結構あるので、私もこれを始めたときにすぐには辞めたくないなというのを思ってずっと来ていますね。自分もそんなふうになれたらいいなっていうのが今でもありますね。
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』池内桃子氏と中西賢一対談画像
中西:じゃあ、今は、いろいろ営業大変なことがあったとしても、取りあえずは今やり続けてるっていう感じですね。

池内:そうですね。続けられる理由の中にはやっぱりいろいろ理由はあるんですけど、やっぱり自分がこのサーカスファーの人たちに会ったことですごく・・・逆に、この「ファー」に会ってなかったら、自分が今何をしてたか、ホントにホントに想像がつかないんですよ。 ほんとに多分、出会った時期がちょうど大学生っていう、将来に本格的に悩み始める、多分人生の中で最初に本格的に将来を悩み始める年なんですよね。というときに、すごくガツンというすごいインパクトのあるものに出会った。そのインパクトっていうのが「ファー」だったんですね。それで今こっちに実際に来て、ほんとに「ファー」に会ってなかったら今何をしてたか想像がつかないっていうのがありますし。あとはやっぱりほかにないじゃないですか。例えば、携帯電話を売る営業でもないし、ホテルの営業でも・・・ホテルももちろん唯一無二のものですけど、ホテルってカテゴリーでみるとたくさん競合があって、でも、このサーカスっていうもので見ると、こういうふうに活動をやっているのは、うちだけだというふうにカンボジアでは言えるので、そういう意味では、すごくもっとこれをしてほしい。自分が好きになったものっていうのもありますし、やっぱり・・・すいません、いろいろ言ったんですけど、自分が好きだからできてる、楽しめてるっていうのがあると思いますね。
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』池内桃子氏と中西賢一対談画像
中西:けど、この知名度が低いものを営業するっていうのは結構大変だと思うんですよね。

池内:そうですね。

中西:アンコールワットで遺跡を見るっていう、こっちの定番の中に、耳慣れないそういう新しいオプション的なものを組み込むっていうのは、結構ハードル高いですよね。

池内:そうですね。今でもそれは感じますね。最初にお話しした営業の仕事で、団体のお客さんの旅行の日程の中に組み込んでもらうっていうのは、すごく基本的に時間のかかるお仕事で、時間のかかる目標であって、それは最初から話は上司からも聞いていたんですけれども。でも、そうですね。今でもハードルが高いなっていうのはすごく、3年目に入った今でも感じます。でも、中でも少なからず・・・少ないんですけれども、うまくいったっていう例も少しずつ出てきているので。やっぱり最初は興味もなかった人が「いやあ、いいですね」って言って、「これから勧めます、お客さんにどんどん勧めます」って言って、そういうふうに変わったところもあるので、そういう1つ1つの小さな成功と言える例が増えていけばいくほど面白いなあと思います。
カンボジアサーカス『ファー(PHARE)』池内桃子氏と中西賢一対談画像
中西:手応えが出て来ててね。やっぱりそうやった見た人が、口コミで広めてくれるっていうのは、いい宣伝活動というか、それに期待したいですよね。

池内:そうですね。口コミは強いですね、やっぱり。

中西:ちょっとそこは時間がかかるかもしれないですけど、やっぱり知られてないだけあってね。

池内:やりがいはそういう意味ではあるかなあと思います。

つづきます ⇒ (6本目 池内さんの今後の展開やビジョンは?そして例のテレビ出演どうだった?

■ インタビュー・撮影・編集
【海外どうでしょう】管理人:中西 賢一
■ インタビュー日:2015.02.10
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